チキンマン・F
今回は、セット間のインターバル(休憩時間)の長さについて解説します。
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筋トレにおけるインターバルとは?
そもそも、インターバルがわからないという方のために簡単に説明します。
インターバルとは、トレーニングにおける各セット間の休憩時間のことです。
例えば、ベンチプレス80kg10回を3セットするようにトレーニングメニューを組んでいた場合、1セット目に10回挙げて2セット目を始めるまでの休憩時間、同様に2セット目を終えて3セット目を始めるまでの休憩時間をインターバルといいます。インターバルが短すぎると筋肉に疲労が残り、次のセットでは力を発揮できません。また、インターバルが長すぎても時間が勿体ないので最も効果的で効率の良いインターバルの取り方を知っておく必要があります。
最適なインターバルは各種目によって異なります。BIG3(スクワット、デッドリフト、ベンチプレス)などの大きな筋肉を刺激する種目では回復までに時間が掛かりますが、アームカールなど比較的小さな部位のみを刺激する種目の場合は、筋肉の疲労回復にかかる時間が短くなります。
トレーニー達の中には、意図的にインターバルを短くすることで筋肉により強い負荷をかけ、自身の筋肉を限界まで追い込むストイックな方が多くいらっしゃいます。
それでは、筋力アップ、筋肥大を目的とした場合インターバルをしっかりとって次のセットに備えるのと、短いインターバルで筋肉を厳しく傷めつけるのとではどちらが効果的なのでしょうか?
実は、このインターバルの取り方によってトレーニングの効果が大きく異なってくるんです。せっかくきついトレーニングをするからには最大限の効果を期待しますよね!
そこで、今回は、筋肥大に最適なインターバルについてしっかりと解説していきたいと思います。
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短いインターバルの特徴
まず、インターバルを短くした場合、筋肉に十分な休息を与えず、厳しく追い込むことで焼け付くような感覚、いわゆるバーニング感が得られ、狙った部位に効いていることがわかるのでしっかりとトレーニングをしているといった満足感を味わうことができます。
また、乳酸や二酸化炭素などの疲労物質が蓄積してくると浸透圧が変化し、筋肉の内部に周囲の水が流れ込み筋肉が膨張します。これが俗に言うパンプアップです。そして、この疲労物質が一気に脳へと届くと脳は成長ホルモンの分泌が促します。
◎短いインターバルの特徴
①筋肉を厳しく追い込むことができ、バーニング感、満足感が得られる。
②疲労物質が蓄積され浸透圧が変化することで周囲の水が筋肉の内部へ流れ込こみ筋肉が膨張(パンプアップ)し、成長ホルモンの分泌が促される。
長いインターバルの特徴
続いて、インターバルを長くした場合の特徴を述べていきます。長めのインターバルを取ると、筋肉に十分な休息が与えられ、各セットごとで最大のパフォーマンスを発揮することができます。
つまり、合計負荷を大きくすることができます。
合計負荷とは、セット毎で何kgの重量を何回挙げたかを合計したものです。例えば、80kgのバーベルでベンチプレスを3セット行ったとき、1セット目は10回、2セット目は9回、3セット目は8回挙げることができたとします。このときの合計負荷は下の計算式のように求めることができます。
合計負荷=80(kg)×10+80(kg)×9+80(kg)×8=2160(kg)
インターバルを短くした場合だと、2セット目以降に疲労の影響が大きく出てしまい合計負荷が小さくなってしまいます。
実は、トレーニングをする上で合計負荷というのはとても重要な考え方です。最適なインターバルと筋肉の成長の関係を調べた研究の報告例があるので次の項で紹介します。この報告の中で合計負荷の重要性が理解できると思います。
◎長いインターバルの特徴
・筋肉をしっかりと休ませることで各セットごとで最善のパフォーマンスが発揮することが可能になり、合計負荷を大きくすることができる。
最新|インターバルと筋肥大の関係を調べた研究
最適なインターバルの長さを調べた研究を報告した2016年の論文があるので、紹介していきます。
この研究では、トレーニング経験のある若い男性21人をAB二つのグループに分けて8~12回を挙げるのが限界の重量でトレーニングを行ってもらい、8週間に渡り検証を行いました。
Aグループは、短いインターバル(1分)でトレーニングを行うグループです。対して、Bグループは、長いインターバル(3分)でトレーニングを行うグループです。
この検証の結果は、次のようになりました。
筋肉の成長率をインターバルの長さで比較
トレーニング種目 | Aグループ(インターバル1分) | Bグループ(インターバル3分) |
ベンチプレス | +2.8% | +5.4% |
スクワット | +6.9% | +13.3% |
三頭筋 | +4.1% | +12.7% |
四頭筋 | +7.6% | +15.2% |
上の表はベンチプレス、スクワットのMAX重量と三頭筋、四頭筋の筋量の伸び率を表しており、A、Bどちらのグループもトレーニング前に比べて成長していることが示されていますが、全てのトレーニング種目においてインターバルを長く取ったBグループの方が有意に成長することがわかりました。
この結果から、インターバルは短く取るよりも長く取る方が筋肉の成長には効果的である、つまり、筋肉を成長させるためには筋肉をパンプアップさせて成長ホルモンの分泌を促すよりも合計負荷の大きさの方が重要であるということが明らかとなりました。
種目ごとに最適なインターバルの時間は異なりますが、最新の研究では、アイソレーション種目の場合は最低2分間、コンパウンド種目の場合は最低3分間のインターバルが必要であるとされています。
インターバルの目的は次のセットに入るまでにしっかりと回復させることで、時間はあくまで目安ですので回復までにもっと時間が欲しいと感じるので場合は少し長めにインターバルを取るようにしましょう。
まとめ
チキンマン・F
アイソレーション種目の場合は2~3分間、コンパウンド種目の場合は3~5分間のインターバルが必要とされている。
最も重要なインターバルの目的は次のセットまでにしっかりと回復させることなので、時間はあくまで目安として考え、回復までにもっと時間が必要であれば長めに調整する。
筋肥大させるためには、成長ホルモンの分泌よりも合計負荷による寄与が大きいことがわかりましたね!
実は、同じ重量を扱って合計負荷を大きくする方法はインターバルを長くする他にもあるんです!それは、またの機会に紹介しようと思います!
Schoenfeld, Brad J., Pope, Zachary K. Benik, Franklin M.and et al.“Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men” Journal of Strength and Conditioning Research, Volume 30, Number 7, July 2016, pp. 1805-1812(8)
[…] インターバルについては『ネットdeカガク』さんの「筋肥大に最適なインターバルを把握して効率良く筋トレをしよう!」がとても参考になるので一読しておくと、より理解が深まるはずです。 […]
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